Project

主な実績

東京科学大学

2024.10 - 2025.02

プロジェクトマネジメントスキルアップ支援

  • ナレッジを蓄積する環境づくり/プロセス改善
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自律的な研究者になるため 「プロジェクトマネジメント」を、いま学ぶ


――About

大学院で養成される高度な専門性を軸に、学生に国際社会を牽引するリーダーシップを養うための教育を提供する東京科学大学リーダーシップ教育院。 今回は、同校の学生のみなさんがプロジェクトマネジメントを学び、自律的な研究者になるための実践を経験するため、それぞれの研究活動を材料に取り上げたプロジェクトマネジメントスキルアップ支援(ワークショップ形式のアクティブ・ブック・ダイアローグ®とふりかえり)を行いました。コパイロツトは、各回のワークショップ設計、当日の日英でのファシリテーション、開催支援を担当しました。


研究活動にプロジェクトマネジメントの手法を導入

同校の学生のみなさんから、主に以下の課題感や要望があがっていました。

  • 未踏の研究テーマ。先の見通しが持ちにくい

    • 不確実要素が多い中でも自分なりの見通しを持って研究に取り組みたい

  • うまくいってない原因を言語化できない

    • 研究活動を進めるうえで必要な知識があるなら身につけたい

  • 関係者をうまく巻き込めてない

    • 必要な人を巻き込みながら研究を進めていけるようになりたい

  • 研究活動をマネジメントしたことがない

    • 状況に合わせて臨機応変に、制約や時間をやり繰りしながら研究活動をうまく進めたい

ヒアリングした内容から、学生のみなさんが研究活動に携わる中で、プロジェクト推進に関して多岐にわたる問題を抱えていることがわかりました。 そこで今回は、研究内容も置かれた状況も異なる学生たちが、自分で自分の状況を理解し、試行しながら、必要な支援を周囲に求めることができるようになる状態を目指す支援策をご提案しました。 自らの活動から学ぶには、まず日々の活動を振り返り、言語化することが必要です(下記図、A, B)。言語化することで概念化し理解できるようになり(C)、自分の経験から仮説を組み立て、試行していく(D)ことができるようになります。

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同校では、下記の図の①〜④の障害を解消する必要がありました。

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そこで、プロジェクトマネジメントを専門とするコパイロツトのナレッジを以下の形でご提供しました。

1. アクティブ・ブック・ダイアローグ® を通じてプロジェクトマネジメントを学ぶ

  • 3冊の本を選定し、参加型の読書法で、研究活動を推進していくうえで必須のスキルである「プロジェクトマネジメント」の基本的な知識を身につけるワークショップを開催しました

  • 授業の概要はこちら

  • 読書法として採用しているアクティブ・ブック・ダイアローグ(ABD)は、一冊の本を分担して読み、サマリーを作って共有、対話によって書籍の内容を深めていく手法です。本を中心に学びを深めるため、「教えるー教わる」という構造になりにくいのが特徴です。また、ABDの「対話を通して学びを深めていくスタイルは、具体的な内容を扱いやすく、研究内容や状況が異なる学生たちが「プロジェクトマネジメント」をどう活用していくかの学びを深めていく上で最適な手法として採用しています。

  • 選んだ書籍は、以下の3冊。短時間で読める、易しいけどしっかりと概要がつかめる、という観点で選書しました。

    • 10歳からのプロジェクトマネジメント: 夢・目標をかなえる力がつく!

    • 13歳からのファシリテーション クラスで、学校で、社会で役立つ コミュニケーション力が身につく本

    • 13歳から鍛える具体と抽象

  • 参加した学生のみなさんからは「マネジメントできていなかったことがわかった」「ファシリテーションという言葉を初めて聞いた」といった、本の知識からの学びの他、ダイアローグを通して、研究について感じていた日頃のモヤモヤが実はファシリテーションで解決できる、といった気づきまで、自身の体験をベースにした学びにつなげることができました。

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2. 研究活動のふりかえりの場をデザインし、提供する

  • 日々の活動を学生同士で共有し、問い合いながら相互にフィードバックを行い、言語化を促進する。研究活動や悩みの共有、他者からのフィードバックによる気づきの醸成、プロジェクト推進のコツを習得しました

  • 授業の概要はこちら

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主に研究活動が1人で推敲しなければならないプロジェクトであることを踏まえて、それゆえのマネジメントの難しさを言語化し合いながら、定期的なふりかえりを通じたメタな自己学習と、研究活動の推進設計のヒントを提供しました。

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連続で参加いただいた方々を含め、各ワークショップに参加いただいた学生のみなさんには積極的に発言いただき、学生さん同士で悩みに対して助言をするなど充実した時間を持つことができました。

Comment

博士課程では、研究の構想から計画、実行、まとめまでを自分のプロジェクトとして進めます。大きなプロジェクトの一部を担当していても、博士論文は一人で構想し、仕上げるものです。一方、その過程で学んだことや直面した困難、喜びは、テーマに関わらず共有できます。研究室の外にもそれを語り合える相手がいれば、「研究」という、世界へのはたらきかけ方を深めていく助けになるのではないか。そのような場を作りたいという希望から、今回の試みが始まりました。形にしてくださった長谷部さん、八木さん、賀川さんに感謝しています。


Output ワークショップ

Scope アクティブ・ブック・ダイアローグ®︎/ふりかえりのためのワークショップ設計、当日のファシリテーション、開催支援

Credit - Client 東京科学大学 松崎由理/ Yuri Matsuzaki - Project Partner 株式会社コパイロツト 長谷部可奈 / Kana Hasebe(Project Enablement) 八木翔太郎 / Shotaro Yagi(Project Enablement) 賀川奈那実 / Nanami Kagawa(Project Enablement)